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代表ブログ

2023年8月9日

反省が機能しないのはなぜか

シナジーデザインでは
毎週水曜日にタスクを決めて
次の水曜日までで区切って開発や業務を行う
1週間ごとの「スクラム開発・管理」をしています。

当然、すべての業務がうまくいくわけではないので
週ごとに問題や反省点などが生まれてきます。

その問題への対応で
多いのが
○○しないように意識する

××に気を付ける
みたいな「反省文」が出てくるのですが

この時点で
あぁ、改善しないな、
来週も同じことを繰り返すな、
と確信します。

○○を意識するや××しないように意識する は
ほぼ機能しません。

なぜか?
それは
業務時間のほとんどが無意識に行動する時間だからです。

脳科学の研究では、
人間の脳で意識して行動しているのは1日の10%ほどで
ほとんどは無意識に行動している、というのが定説です。

思い返していても過去1日の行動で、わざわざこうやって動こう、と考えて動いていることはほとんどないはずです。

無意識に呼吸をして
無意識に心臓を動かして
無意識に喜んで
無意識にストレスを感じて
無意識に判断して、
無意識に行動しているんですね。

そんな時間が90%なわけです。
だから意識して、変えられるのは僅か10%ほどってことになります。

一生懸命反省しても
変わるのが僅か10%ならほとんど改善効果は見込めません。

ほとんどが無意識の行動という前提で環境を作る

前提としてシナジーデザインのメンバーはみんな真面目です。
本心で思っています。

それでもうまくいかないのは
学生時代に間違った反省方法を身に付けてしまっているから
だと思っています。

ほとんどの問題は
無意識の行動から起きています。

なのに反省文は
自分の行動を意識で制御できる、という前提で書かせています。

結果的に
○○を意識する
××をしないようにする
という文章になります。

でも事実は違います。
ほとんどが意識では制御できない。
だって無意識の行動だからです。

脳科学的に言うと
意識しているのは大脳新皮質という新しい脳、
無意識は大脳辺縁系という古い脳が制御しています。

人は多くの時間を古い脳の制御状態で過ごします。
つまり無意識ですね。

新しい脳で、いくら○○をしないようにと強く、心から反省しても
主導権が古い脳に移っている以上制御できないんですね。

なのに、健気(けなげ)にも
絶対に○○しない!と宣言したりします。

そして当然のように制御に失敗します。

そして
お決まりの自己嫌悪に陥るんですね。

自分は何てダメな人間なんだ。。。

全然思い通りに出来ない意志の弱い人間だ、、、

みたいな感じですね。

でも、自己嫌悪をする必要はありません。
そもそも誰も制御なんて出来ないんですから。

制御できているように見えているのは
古い脳が望み通りに動くように
仕組みを作っている、ということなんですね。

古い脳は正直です。
その肉体が必要としていることを躊躇なく選択します。

休息が必要なら、エネルギーを制御しますし、
ストレスが一定量を超えれば、頭の回転は停止します。

まずは生命の維持を最優先にするんですね。
それがあるから自分たちの体は壊れずに何十年も使えるわけです。

もし古い脳がブレーキを踏まなければ、負荷が高くなりすぎて体は壊れてしまいます。

体が壊れてしまっては遺伝子の維持が出来ないので体を守ることが最優先されます。

ストレスが高い状態にもかかわらず、頑張ろう!って思っても頑張れないのは、この自動ブレーキシステムのせいなんですね。
アクセルを踏んでもガソリンが流れていかない、そんな状態になります。

なかなか厄介ですね。
まぁ、僕らの脳は旧石器時代に出来上がったシステムなので現代のストレス過多の状態に最初から適応できるようになっていないんですね。

でも、
多くの人が現代に適応して人生を楽しみながら働いています。

システム自体は古いですが、その後のアップデートをしっかりとすれば現代でも十分に使えるものなんですね。
アップデートの代表的なものは
教育

しつけ
です。

それらで古い脳を制御することで、人間として生活できるようになります。
数十年前までの工業中心の時代はそれらで十分に通用しました。

でも情報革命が起こり
インターネットで知の爆発が起こりました。

それによって求められる頭脳労働の割合は増え、
より多くの脳のエネルギーが必要になりました。
より複雑な仕事が求められるようになったんですね。
業務の難易度と一緒にストレス値も上昇を続けました。
結果的にストレスを抑え込んでいる状態
古い脳を新しい脳で抑え込んでいる状態では
脳が機能不全を起こして、正常に働かなるようになってきたんですね。

だからうつ病などの脳の病気が増加しました。

限界値を超えてしまったんですね。

でも、世の中は今後もどんどん複雑になっていって、より多くの頭脳労働が求められるようになります。

どうすれば良いのか?

それは、古い脳と和解することです。
古い脳がやりたいようにする=自分のメリット
の状態を作り出すことです。

古い脳は自分の体を守ることしか考えていません。
もっと言うと遺伝子を守るための行動しかしません。

なので、自分の求められる行動が
自分の古い脳にとってメリットがある、
という仕組みを構築することが出来れば、
古い脳は、自分が求められる役割をしてもブレーキを踏まなくなります。

古い脳と、自分の役割の利害を一致させるんですね。

一番わかりやすい方法は

○○をしたほうが得

と心から思えることです。

お金が儲かるから、とか、楽だから
とかではなく、
遺伝子を維持するために得、となることが重要なんですが、
難しい場合は、儲かるからとか楽できるから、でも最初は大丈夫です。

○○や××をしなくてはいけない場合は
それをしたほうが良い得の理由を納得するまで考えることです。

その際に、出てくるネガティブな感情は書き留めて吐き出しながらすることが大切です。

仕事なんてしたくない、
電話なんてしたくない、
上司なんて見たくもない、

みたいな感情を先に出して、その上で○○するほうが得まで考えきることです。

長くなったのでまとめますが、
仕事の時間の9割は無意識です。
失敗せずに仕事をするにはその9割の制御が重要です。

制御するには
自分にとって得、と心から思えるところまで落とし込むことです。

落とし込むためには
まず、自分の中に渦巻くネガティブな感情から書き出して、
その上で、得になる仕組みや論理を構築することになります。

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