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2022年10月17日

支離滅裂な発言は、部下のSOS


仕事で支離滅裂な発言をしている人を見たことがありますか?

その人はどんな状態でしたか?

おそらく
SOSを出していた状態です。

どこから出ているSOSかというと
その人の頭の中にある大脳辺縁系という「古い脳」から出てきているSOSです。

ストレスが一定量を超え、
古い脳がその状況を、危険と判断している状態です。

危険なので
逃げろ
という指令が脳から出ています。

ある意味で
逃げることだけを考える
状態です。

目の前の敵から逃げる
それが出来れば何でもいい、
だから、理屈が破綻した理由やウソが飛び出てきます。

しかも無意識に。

大脳新皮質といわれる「新しい脳」ではなく

古い脳で物事を判断している状態です。

現代に生きているのに、
その人の状態は
旧石器時代に戻ってしまっている、とも言えます。
我々の脳が出来上がったのが旧石器時代だからですね。

そこから古い脳から新しい脳に主導権を移すことで、
我々は理性的な生活を行い、自分たちの社会を作り、そこで通用する常識を築き上げてきました。
そしてそれらを次の世代に教育することで、動物の部分が出てこないようにパッケージをしてきました。

見たことがある人もいるかもしれませんが、ディズニーのズートピアのような世界です。
本来は猛獣たちが理性的に暮らしている、そんな社会です。

でもストレスが許容量を超えると、
今まで封印していた動物の部分が顔を出してきます。

原始的な判断をして
論理が破綻、

いわば
動物状態
となり
論理は通用しない、
つまり
コントロール不能な状態になってしまいます。

怒りに震えたり
涙を流したり、
思考停止したりします。

発する言葉も論理的ではなく、
超自分都合な解釈でいろいろなものを客観視できなくなります。

こうなると
言葉は通じない。

音として伝わってはいても意味を理解してくれない。
その時に深い話をしても意味がありません。

こんな状態でした約束は
ほとんどが無効になります。

その場を逃れるためだけにする約束だからです。

アルコール中毒の患者さんがお酒を止める約束をすることや
ギャンブル中毒の人が二度と借金をしない、と約束させることと
この状態の人に仕事の約束をさせることはほとんど同じです。

意味がありません。

それならば
どうするか?

とにかく
動物から人間に戻ってくれなければどうにもなりません。

動物のまま話しても、話が混乱して、
守れもしない約束だけが負の遺産として残ってしまいます。

だからとにかく、人間対人間にしないといけません。

どうしましょう?
時間を置く?

それも一つですね。

「人間」に戻るまで待つのも一つです。

でもなかなか時間が掛かります。

そして自分一人で
戻れば素晴らしい。

でもそれは
基本的には難しい。

いくつか理由はありますが
ストレスが許容値が超えた人は戻るまでに相当の時間を要します。

1日かかっても戻っていないこともままあります。
仮に翌日にストレスを処理してきて戻ったように見えても
同じテーマの話をしたら一瞬でストレスが前日の状態に戻ってしまいます。

そうなると
1日空けた意味が一瞬で無くなります。
また振出しに戻ります。

ある程度自分でストレスを処理できる年齢の人なら、時間を与える方法でも機能しますが、
社会人経験の少ない人なら、仮に自分でストレスを処理してきても
変な論理が構築される可能性が高い。

なんせ、上司は「敵」とみなされているんですから、
敵を攻撃するための材料を集め出すのが普通です。

上司は、人格破綻者でとんでもない人間だ、
だからその人の言うことは意味がない、
だからダメージを受けないようにしてやっていこう、

といったふうに上司の存在を否定して、やりくりしていく論理構築に走ってみたりします。

あの時は、あんなことで攻撃された、
別のあの時も、ひどいことを言われた、
などの論理を構築し、
時にはそれは退職するための、理屈につながっていきます。

損な上司の人格を否定する論理や退職を正当化する論理が部下の脳内で構築出来たら、崩すのは大変です。
不可能ではないけど、
本人はその論理に執着して固執する。

その論理を守ることが目的になって、正しい論理展開かどうかはどうでもよくなる。

そんな場合は
部下が構築した論理をひとつ一つ一つを丁寧に説明していくしかない。

それは上司の人格否定なわけですから、
その時に起きたことを状況から再現し、なぜその行動や発言に至ったか、また部下がなぜそのような論地構築をしたかを詳しく伝えていくしかありません。

人はすべての出来事を覚えているわけではありません。
出来事と一緒に映像や音や臭いや感情を織り交ぜたストーリーとして脳にストックくしていきます。
これが長期記憶といわれるものです。
だから懐かしいにおいをかぐと昔のことが鮮明に思い出されたりします。
このストーリーはすべてが事実にもとづいたもので作られているわけではありません。

自分の感情が入ってくるので、
多分に事実と異なる自分の目線だけでみた世界の記憶となっています。

上司側の立場や他の人の論理は入ってこないものになります。本人のストレスが高ければ高いほどのその傾向は高ります。

学生時代の友達とのケンカの記憶なんかは、自分の論理だけで構築されてしまい、友達と二度と話をしない絶交の状態を作ってしまったりします。
ただ、そんな絶交状態の友達とも、同窓会かなんかで再開してお互いの理屈を話し合えば、
実はそんな理由があったのか、友達の立場で見たら全然おかしくない言動だったんだ、となって
一気に仲直りする、みたいなこともあります。

こういうのが長期記憶の再固定化というものです。

ストレスの記憶として記録された部下の長期記憶を取り出し、正確な情報を元に論理を再構築し、ストレスを取り除き再度、記憶のストックに戻す。

これを丁寧にストレス分繰り返す必要があります。

非常に時間のかかる作業ではありますが、
根気強く行えば部下のストレスを下げることも可能です。

逆にこの作業がなければ、上司は敵のままで表面上の会話をするだけになるので、決して心を開いてくれないでしょう。

親子関係でもこの記憶の再固定化が必要なこともありますし、友達に対してもあります。

でも会社では多くの場合、心の傷を抱えたまま仕事をしているものです。
それだけストレスに向き合うのは大変なことだからです。

上司は部下の敵になるどころか、庇護する立場として、日々起きてくるストレスを言語化してあげる必要があります。

それを非常に短い時間で行う。
難易度は高い。

だからこそ、時間軸を超えたコミュニケーションである、ブログや映像を駆使して有限な上司の時間で最大限の効率を上げる方法を探っていきます。

自分のこのブログもそうですし、
作成しているサービスについても同じ効果を期待しています。

とにかく、部下は悪くない。
かといって上司が悪いわけでもない。

仕事はストレスの代行、
だから上司は部下のストレスを代わりに代行してあげる必要もあるということです。

もちろん部下も社会人ですから、ちゃんと自分のストレスを処理しようとはするべきです。

でも普通は出来ない。
だから上司は育児放棄にならないようにしっかりと対応が必要です。

とにかく、長期記憶について、事実に基づいた正しい記憶にする必要があります。
正論は強いです。部下の主観だけで作り上げた世界よりも真実のほうが力があります。

だから正確に事実関係を整理してストーリー立てられれば、それらは真実として記録されます。

ただ、それだけでは終わりません。

同時に、傷をケアする必要がある

その状態にまでなれば部下は大きな傷を負っています。
その傷を癒さなければ同じように仕事をすることは出来ません。

そのためには、まず、
部下が悪いわけではない。
本人は一生懸命にやっている、
だからこそ、
限界を迎えた、
もっと言うと限界の向こう側に行っている。

そこで大きな痛みを感じ過ぎて、
許容量を超えた。だから痛みに対して
拒絶反応を示している状態。

この状態では、頑張れ、とか、何とかなる、とか未来にいいことがある、とかって言葉は無意味です。
そんなことを考える以前に、脳から、古い脳から、とにかく逃げろ、止まれ、行くな!の信号が強烈に出ている。

どんなに理屈で固めようとも、逆に、固めれば固めるほど強烈な、ストレスの電気信号が出る。
それだけ大きな傷を背負ってしまっている状態です。
心の大けがを負っている。
外傷と違って出血をしていない、骨が飛び出しているわけでもない。レントゲンでも映らない。でも大きな、大きな傷が残っている。
それを癒すのが先決。
でも、普通に慰めても傷をいやすことは出来ない
なぜなら、上司や会社が敵になっているから
敵に慰められても傷はいえるどころか、どんどん傷口が開いていき、ストレスはどんどん大きくなっていきます。

だから、
その状態になった時に何かをしても遅い。
上司や会社は常に部下の味方でいること。
それをストレスアウトするまでに積み重ねているかどうかが重要になる。

何もしていなければどうすることも出系ない。
ただの敵。

でもそれまでに味方としていろいろなことをしていたのであれば
それをしっかりと伝えて、自分が味方であることを証明する。

その上で、部下の気持ちをしっかりとヒアリングして、言語化する。
いわゆるカウンセリング。

素人がすると危険でもあるので、聞くことに徹する。
それをしっかりと行い、部下本人がしっかりと考えられる状態まで根気強く付き合う。

決して急がずに、ゆっくりと。

しっかりと付き合っていく。

それが重要です。

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