未経験の方の採用面接の時
に必ず話すことがあります。
それは
WEBの仕事の多くは
弁護士や職人と同じような
専門職で
仕事をするためには必要なスキルのライン、
いわば
プロのライン
が存在している
ということです。
その人のスキルが
プロのラインに達していれば黒字人材ですが
下回ればその人が存在するだけでお金がかかる
赤字人材になってしまう、ということです。
ちなみに、
自分はシナジーデザインのオーナーでもあります。
チームの一員としてみんなの成長を純粋にうれしく思う場面も多くありますが、
100%株主としてドライに投資と収益を見極めるオーナーとしての一面も持っています。
オーナー目線で見ると
採用は投資です。
投資なので黒字か赤字の成功か失敗が存在します。
図にするとこんな感じです。
未経験や経験の浅い人は
図のAの位置からスタートします。
そしてまずは
Bの地点を目指してスキルアップしていくんですね。
そしてBを超えて
C
D
と一人前に成長するために頑張ります。
投資の目線で見ると
このDの位置に到達して初めて
トントン
になります。
なぜなら
赤字の期間に投資したお金が
回収できるのがDの位置に達した時だからですね。
AからBまでの面積分が投資額なので
同じ面積が回収できるのがDの地点ということです。
この考えで行くと
「やったー、プロのラインを超えた、
これで元々行きたかった他の会社に転職しようー」
とBの地点で他社に転職する未経験の人に投資する意味はないのが分かります。
またDの地点で辞められたとしても、トントンなのであまり投資する意味はありません。
Dを超えてEの位置までいることで初めて投資として成立することになります。
採用は重要なビジネス活動なので
このようなドライなオーナー目線で見ることも必要なんですね。
そうでないと、
投資の失敗を繰り返すことになり
会社からお金がどんどん無くなり、潰れてしまいます。
赤字期間をどう乗り切るか
ここで
投資をするかどうかの決定に重要なのが
採用時点で
どの程度の赤字スキルなのか?
と
黒字になるのにどのくらいの時間がかかるか
です。
投資額が増えて喜ぶ人はいないので
極力投資額は少ないほうがいいですね。
ってことは
出来るだけ短い期間で、少ない投資で黒字化できるほうがいい訳です。
赤字社員が限界数を増えると会社が潰れます。
赤字なのに
勤務時間しか勉強しない、
という人がいたら、
その人は勉強するだけで
お金をもらえている状態になるわけですね。
そんな楽な仕事の話はあまり聞かないですね。
専門職で
赤字期間の人には
プライベートの時間を使ってスキルアップすることを当然、期待します。
もし
会社でしか勉強しません、という人であれば採用しません。
1年における「労働時間」の割合は
たった22%ほどなので、
勉強する時間が無い、というのは言い訳でしかないというのが
赤字期間の生活を支えるお金を出している側からの率直な感想です。
でも
人は弱いので
疲れてくるとなかなか勉強なんてできません。
なので入社前の条件として
勉強する内容を書面で残しておこうと思っています。
デザイナーでいえばバナー100個のトレースやアレンジ
そしてコーディングの課題
また情報収集の習慣化などです。
成長しない人には投資できない
「成長しません」
と言っている未経験の人は採用しません。
当然ですね。
赤字をずっと抱えることになりますもんね。
そんな状態なら、頑張って稼いでいるほかの社員が馬鹿らしくなります。
なので、逆に言うと
未経験で入社した時点で成長することを約束して入ってきているわけです。
成長することに責任があるんですね。
「出来れば成長したい、と思っています。」
ではないんですね。
強い言葉になりますが
必ず
成長しなくてはいけないんです。
これが経験者採用
なのであれば
グラフのCやDの地点からの採用なので最悪その場でとどまっても良いですが
Aからの採用の場合は成長することに責任があります。
だからこそ、会社は自分の意志が弱い人でも成長できる環境にする必要があります。
これからチャレンジする人は、そのことをまずは受け入れることが必要ですね。
タダ乗りする人かどうかを面接で見極める
会社で気持ちよく働くためには
その場所が居心地の良い場所である必要があります。
居心地をよくするには
会社を自分も周りも長くいれる場所にする必要があります。
でも
世の中には
自分の成長のために会社から投資だけを引き出そう
とする人も存在します。
ずっとその会社にいるつもりはないけど
お金をもらいながら勉強したい、
その期間は我慢しよう
みたいな
タダ乗り
を目的としている人です。
投資を受けて成長出来れば次の会社に行く、
または
自分の会社を立ち上げたい
みたいな人ですね。
ネット上には
転職の成功例としてそのようなタダ乗りを自慢している人がいますが、自分から見ればただの不誠実な人です。
最初から投資を受けるだけが目的で、返すつもりがない人は完全に投資の対象外です。
だって、最初から
「成長したら、すぐに自分は別の会社に行くか独立します」
と言っていればその人は採用しないわけですもんね。
別の候補者を採用すれば良いだけの話ですもんね。
このような理由でタダ乗りを目的にしている人は、採用しません。
いつ、誰の負担で学習するのか?
については
難しい問題なのでブログを書きながら考えてみます。
未経験採用と学習
シナジーデザインでは
未経験の人を採用しています。
もし、その未経験の人が
私は今後も成長しません、今のままです
というのであれば、残念ながら採用できません。
ちなみにシナジーデザインでは、
成長の定義を
「出来ないことが出来るようになること」
としています。
WEBの制作業界は
WEBデザイナーであれ、プログラマ―であれ、マーケターであれ
専門的なスキルや知識を身に付けるべき専門職です。
スキルや知識が無ければ、お金を稼ぐことが出来ない業種なので、
未経験でスキルや知識がない人は仕事をすることが出来ません。
仕事が出来ないので、自分の給料分を稼ぐことが出来ません。
赤字人材になるわけですね。
そして赤字人材ばっかりだと会社は潰れます。
かといって、スキルの必要ない「作業」を渡すだけでは制作スキルはずっと上がらないのでいつまでも戦力になりません。
なので儲けにならないのを覚悟で、コストが増えることを覚悟して、失敗をさせるわけです。
ほとんどの未経験の人は赤字人材からスタートするわけですから、
ずっと成長しない = ずっと赤字
になるので成長しない人を採用する意味は無いんですね。
なので、未経験の人を採用した場合は
私は成長します
と約束した人を採用していることになります。
で、ここで問題になってくるのが
誰がその赤字部分を負担するのか?
です。
会社は失敗による赤字を覚悟していますが
学習だけをさせることはしません。
また、よっぽどでない限り
知識を一から教えることはしません。
前提として専門職は仕事に就く前に専門知識を得てくるのが普通です。
弁護士しかり、看護師しかり、税理士しかり
本人が数年単位の投資をして仕事の準備をしてきます。
専門職の仕事は
単純で、明確で、確定している 作業的なものではなく
複雑で、不明確で、不確定な 難易度の高いものです。
作業の方法だけを教えていても専門家にはなれません。
これらが一から教えない理由です。
上司は
自分の仕事を遂行する責任
や
あなたのアウトプットを最大化させる責任
はありますが、
一から教える責任はありません。
会社は学校ではありませんので、あなたは教育というサービスを受ける側ではなく、会社に貢献する側になります。
https://syde.jp/w2/archives/8181
会社で教えてもらって、成長させてほしいと思うならば、その人はサービスの受け手です。
会社でお金をもらう以上はサービスの提供者にならなくてはいけません。
一方的に教えてもらうこと、
それは学校の提供しているサービスです。
それが欲しければ、お金を払って教育をサービスとして受ければいいですね。
お金をもらいながら、サービスも受けたいは、欲張り過ぎです。
なので、自分でコストを負担するべきです。
どうしても
最後は厳しい言葉に落ち着いちゃうので
また書き直すかもしれませんが
時間が来たのでいったんここで筆をおきます。
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