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2024年5月20日

何度でも謝ったほうがいい

土下座とかって嫌ですか?
僕は全然、大丈夫です。

土下座なんてただの体勢です。
フィットネスのジムで柔軟運動をする時にはもっと屈辱的なポーズをしたりします。

かかる時間も数秒ほどです。

土下座なんて
数秒で出来て、コスト的な負担もなく、特に責任も増えない、

総理大臣とかよっぽど偉い人がするならまだしも、そうでなければただの体勢、ポーズであって、価値なんてない。

土下座の価値ですらそんなもんなんで、実は普通に謝るなんて何の価値もない行為。

価値がないのに謝ることがなんでそんなに嫌なのか?

それは

僕たち日本人が

犯人探しの文化

の中で育ってきたから

です。

謝ると、責任をなすりつけられて犯人にされる、

そんな文化の中で子供の頃から教育をされてきました。

わかりやすいところで言うと、昭和のドラマなんかであるシーンですが
学校の給食費が入った袋がなくなったときに謝ったらその人が犯人です。

教室で誰かと誰かが喧嘩になったときに謝った方が問題を引き起こした犯人です。

謝るとすべての責任を押し付けられて、犯人に仕立て上げられ、そしてこれが一番怖いのですが、そのグループから排除されます。

日本文化は、問題そのものに焦点を当てて解決を図るのではなく、メンバーのうちの誰かを排除することで、問題を先送りにする文化の側面があると思っています。

まぁ、生贄を捧げて、神の怒りを抑えるみたいなところから来ているのかもしれませんね。

これも世の中が基本的にうまく回っているんだったら問題はありません。

昭和のように国全体で所得倍増計画のような大きな計画が順調に進んでいて、実際に高度経済成長を実現して、ジャパンイズナンバーワンと言われるほど、日本全体に勢いがある状態であれば、問題のある人を排除して全体最適化をするのが理に叶っていたと思います。

また、現在でも大企業のようにお金を儲ける仕組みがしっかりと存在していて、それをうまく動かすことが会社にとって最善なのであれば、
余計なことをせずに問題のある人を排除して、また、そのタイミングで、他の問題も全部その人のせいにして、排除してしまえば、残った人のストレスは少しマシになって、組織を存続させる上で良い状態になるということもあるかもしれません。

何か強力なお金を儲ける仕組みがあったとして
特に改善のしようがない場合に、
そのお金を儲ける仕組みが寿命を迎えるまでそっと運営を行う。
みたいな運営の仕方は世の中にたくさんありますが、その場合は犯人探しの文化になりやすいのかなと思います。

でも自ら問題の中に飛び込んでいくスタイルのベンチャーでは、そうはいきません。

誰が悪い?
という言葉を使いながら、問題を誰かのせいにしても、儲かる仕組みがあるわけではないので、特にメリットはありません。

誰かのせいにしておいても、自然に問題が解決するわけではなく、放置された問題はより大きくなっていきます。

だから、犯人探しをして、誰が悪い?
みたいなことをやっている暇は全くなく、
全員で問題を解決していく、それが求められる組織なわけです。

そして昨今では、大企業でも儲かる仕組みがうまく機能しなくなっていることも多く、犯人探しではなく、問題解決の能力が問われるようになっています。

自分が悪い、という言葉も注意が必要です。

不当に犯人扱いされれば誰でもやる気はなくなります。

納得いってないけど、自分が悪い、みたいな文脈で問題が解決してしまった経験は誰でもあると思います。
納得いってないわけですから、当然やる気も出ない。

自分が悪いという自分を犯人扱いする言葉も基本的には使わないように、シナジーデザインでは運営しています。

誰も悪くない。

そこにあるのは問題だけ。

そうなれば犯人扱いされる恐怖心も少し減ると思います。

昭和の時代や大企業のように
犯人探しをするために、誰かを謝らせる。
そして問題とその人を排除して何事もなかったかのように過ごす。

責任をとって辞めさせていただきます!みたいな政治家のセリフを聞いたことがあると思います。

あなたが辞めても何も問題は変わらない。でも辞めて、問題が解決したような空気になる。
これが犯人探しと謝ることがワンセットになってる好例です。

でも、ベンチャーの場合は謝ってもその行為に大企業のような価値がありません。
儲かる仕組みがなく、ただ謝るだけでは
問題が解決するわけではないからです。

では小さな会社では何のために謝るのか?
それは関係する人のストレスを下げるためです。

謝っても問題解決が進むわけではありません。
でもストレスの緩和にはなります。
なので、シナジーデザインでよく使われる謝るときの言い回しは
ストレスを与えて申し訳ない。
です。

お客様に対して謝る時も
ストレスを与えてしまって申し訳ありません。
みたいな言い回しがよく使われます。

その代わり、お客様からクレームがあったときに、とにかく謝り倒すみたいな事はやりません。

申し訳ございません、
だけで問題をうやむやにしてしまうようなコールセンターも昔はありましたが、
そういうやり方はしていません。

問題についてしっかりと向き合い、
そして問題が発生した間にお客様が感じたストレスについては謝る。
その時に賠償責任が発生するのであれば 申し訳ありません。
賠償責任を発生させないように謝るのは 失礼しました。

そういった分け方で謝ってますが、
謝っても、問題を押し付けられて、組織から排除されるわけではない環境では
相手のストレスを減らすために謝っているわけですから、
何度でも謝ればいいと思っています。

相手のストレスがある限り、何度でも謝れば良い。
でもそれをしたからといって
排除されるわけではない。
その感覚を会社の文化としてしっかり根付かせていければと思います。

犯人探しの文化の中で新たな文化を作るのは難しいですが、
失敗を恐れず問題を解決していく組織を作るためにはそれが必要だと考えています。

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追記、

この1ヶ月半ほど制作タスクの遅延について話をしてきました。

その中で気づいたのは
遅延報告という言葉をむやみに使っていたことです。
遅延の報告をすれば責任を果たした。
説明責任を果たしたみたいな文化にしてしまったことで、
遅延するのがある意味当たり前。
遅延しても謝れば一旦リセットされるみたいな文化になっていました。

でもそれではいけない。
普通世の中そうなっていないということに気付き、修正しています。
どういうことかと言うと、
遅延をしてしまっても会社との取引であれば、
何とかしてください。
謝るのはわかりました。でも何とかしてください。
みたいなどうにもならない状況。
重要なので、もう一度言います。

どうにもならない状況に追い込まれて
とにかく謝ります。
謝って許してもらうというわけではなく、
とにかく謝りながら先のことを考えて進めていく。
みたいな状況が生まれます。

ちゃんと心から謝りながら、
でも思考停止しない。
そういう状態の中でも謝る経験を経てやり方を覚えていく必要があるかなと考えてます。

特にうちのように自社サービス中心で業務を行っている場合、外部の方に怒られる経験がかなり少なくなります。
そういった時に社内に敵ができやすくなる状況で、運営が難しくなりますが、そのあたりも加味しながら対応していければと考えています。

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