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2023年9月6日

オープンな質問は、言い訳を誘発する

「どうなってるの?」

「なんでなん?」
といったオープンな質問は、部下の言い訳を誘発しやすいと思っています。

部下が言い訳ばっかりする、
と感じている上司の方は、
いきなりオープンな質問をしている可能性があります。

上司の役割はご存知の通り、

部下のアウトプットの最大化です。

もし
「なんで、うまくいっていない?」
などのオープンな質問に回答できるのであれば、部下は失敗せずにアウトプットを出してくるでしょう。

つまり上司の出番はなくなるわけです。

なぜ上司の助けが必要なのかと言えば、
失敗する部下を成功に導くためですね。

そのためにいきなりオープンな質問をしても回答できるわけがありません。
「なんでなん?」
と聞かれたら
部下はとっさに怒られない言い訳を考えます。

言い訳は正しい報告ではないので、
上司は間違った情報をもとに部下を導いていかないといけなくなります。当然、上司ともども失敗を繰り返します。

そうすると上司は、余計にフラストレーションを貯めて、部下を叱責する形になります。
「なんでなん?
なんでできないの?」と。

最悪な悪循環ですね。

結果が完全に確定している時以外は
「なんでできないの?」
などのオープンな質問をいきなりしてはいけません。

特に業務中の報告や、相談は
クローズな質問から入ります。

クローズな質問とは、答えが決まっている質問です。

イエスか、ノーで回答できる
または
いわゆる5W1Hで回答できる質問ですね。

羅列するとこんな感じです。

Aという手法は試した?
どこでつまずいた?
いつからできてない?
どの部分ができてない?
誰に聞いた?
何分かかった?
いくら使った?

などの答えが決まっている質問です。

自分が
上司がオープンな質問を使いすぎて、
言い訳に慣れてしまった部下に指導する時がありますが、
その時はクローズな質問をしても、部下は言い訳から入ります。

ちゃんと質問に答えないんですね。
例えば
「いつから詰まっている?」
と質問しても
「この部分で詰まっています。」

「いつ?」で聞いてるのに
「どこで」で返答してきたり

「この手法を使った?
それとも使っていない?」
と質問しても
「僕は頑張って作ろうと思ってました。〇〇は試したんですけれども…」

みたいなイエスかノーかでの明言を避けたりします。

部下自身も答えはノーとわかっているのに名言を避けるために、いろんなことを言う、つまり言い訳を言ったりします。

なぜそうなるかと言うと、
上司からの質問を攻撃と捉えていて、
言い訳をしてでも避けないといけないと考えているからですね。

オープンな質問は、うまく使えば、部下の心も、オープンにさせて、本音を聞いて、部下の味方になることのできる質問ですが、使い所を間違えると部下への攻撃になります。

オープンな質問の代表格に
なんで?があります。

なんで?
を英語で言うと、whyで聞かれるのは
1番多くの脳の力を使います。
そして多くの場合、答えを出せない難しい質問です。
エネルギーを使って、うまく回答できないと、部下はストレスを最大に高めます。

なので、なぜ?Whyで質問をするのは結構リスクが高いですね。

オープンな質問のもう一つは
何を感じた?英語で言えばHow U Feelです。

頭の中で何が起こったの?に近い感じの質問です。
オープンな質問でも、なぜのWhyではなく
How U Feelを使ってください。

フリーに質問して、多くの質問をして回答できるなら、部下は自力で業務ができているからですね。

未経験者や
難易度の高いタスクを行っている部下に対しては、まずはクローズの質問から入って問題解決を導きます。
その後でオープンな質問をして、部下の本音を聞いて、部下への共感を示し味方であることを示します。

この順番であれば、まずは強い姿勢で問題に取り組み、社会人としての責任を果たさせ、
その後に人間としての部下の弱みを聞いて、ストレスの減少をさせる。
そういった順番になります。
先にストレスのカウンセリングを行ってはいけません。
それは部下の中のストレスを増長させるだけです。

仕事は、ストレスを代行する一面を持っています。
最初に共感してしまうと、部下はストレスを出せば、上司は仕事を軽減してくれる
と学習してしまいます。
そうなるとからストレスを自ら管理することができなくなり、負のスパイラルに陥ります。
まずはクローズな質問をしてから詰まっている問題を特定し、解決に導きます。
この時も部下に回答させることで自ら解決した感覚を持たせます。
解決して、その場で「じゃぁ頑張って」

ではダメで
その後に

「でもどうだった?」

とオープンな質問を投げかけます。
そうすると

「いやー 大変でした。
全然解決策が思い浮かばなくて
やばいやばいとめちゃくちゃ焦りだけが積もってました。
もうやだ、逃げたい、辞めたいぐらい思ってました。」
みたいな感じで本音を引き出して、言語化させる。
問題解決した後であれば、それは言い訳ではなく本音です。

そして
「でももう大丈夫です。」

みたいな本心からの言葉を引き出せれば
問題解決のワンセットが終了です。

うまくいかない上司は、
オープンの質問から入って
クローズな質問に入っていきます。

こんな感じですね。
なんでなん?
なんでできないの?

どこができてない?
何で詰まってるの?
いつから詰まっている?

みたいな感じですね。

最初のオープンな質問で、部下が萎縮してしまって、
クローズな質問が攻撃に感じて、
ちゃんとした情報が上がってこないので、問題解決ができずに失敗します。
そして部下が言い訳をしても通るんだと理解をしてしまって
とにかく指摘を減らすためだけに
その場から逃れるためだけの言い訳をするインセンティブを与えてしまいます。

うまくいきやすい上司は
まずは淡々とクローズな質問をします。
いつから始まっている?
どこで詰まっている?
Aという事はやった?やってない?

まずクローズな質問から入って、
それらを組み合わせて問題を特定し、解決の糸口を部下に伝えます。

その後に
でもどうだった?
とオープンな質問をして、本音を引き出し、
部下のストレスのケアをして、
もう一度業務に向かわせる、そんな感じです。
そのためには、1番最初に
上司は感情のコントロールをして、冷静にクローズな質問から入るようにしましょう。
アンガーマネジメントというやつですね。
部下を強く叱るのは
クローズな質問に対しての言い訳が出てきた時です。

つまり、曖昧に答える時ですね。

絶対にそれは通してはいけません。
クローズな質問に回答しない場合は、
ちゃんと質問に答えるように伝えて必ず回答させます。
そこは部下と上司の綱引きの部分です。

クローズな質問に答えないまま許してしまうと、部下は謎の言い訳をするようになります。
根気強く冷静に回答を引き出しましょう。

まとめます。
クローズの質問から入って
言い訳を許さず、必ず回答させます。
それを繰り返して問題を特定し、解決の糸口を部下に与えます。

その場で回答できないと判断した場合は、
自分の場所から離れて冷静に考える時間を与えます。5分ほどで充分です。
問題が解決した場合は、
その時点でオープンな質問をして、
部下の本音を引き出して問題解決完了です。

そんな感じで対応してください。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

書きながら思いましたが、
オープンな質問をいきなり使う場面があります。
それは
結果報告のタイミングです。
途中経過ではなく結果ですね。

自分は代表者として
定期ミーティング等で失敗の報告を受けるときは、
なぜ失敗したの?
といったオープンな質問から入ることが多くなります。

なぜなら報告を受ける社長は
すべての部下の業務のすべての詳細を把握しているわけではありません。
少なくともその前提です。

なので、解決の糸口を探るためにオープンな質問から入り、クローズな質問に変えていく必要があります。

または部下の反省を促すために
オープンな質問から入ることもあります。
ただしそれは結果が確定した後の場合のみです。

シナジーデザインで社長である自分がオープンな質問から入る機会を定期ミーティングで見てきた上司が
その方法を学んでオープンな質問から入っている。
そういう流れがあると思います。

ただし結果が確定していない。
週途中の自分のマネジメントでは、
クローズな質問から入り、
そしてオープンな質問につなげる順番でマネジメントしていると理解できると思います。

オープンな質問から入ってしまう上司は
途中での管理がうまく機能していなくて、
結果が出てから
どうなってるの?
なんでそうなるの?
みたいな叱責の言葉が出てくるんだと思います。

もっと途中での
声掛けが必要になります。

ただし上司もプレイングマネージャーでやっている以上、なかなか時間が取れない。
それもわかります。
なので重要なのは朝と昼休みと帰りしなの少しの時間。

そして部下から報告が来るような信頼関係の構築です。

結果が出てからであれば、オープンな質問から入って、部下の反省を促す必要があります。
でも結果が出る前であれば
クローズな質問をして、部下に寄り添いながらサポートすることができるはずです。

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