ホーム

代表ブログ

2023年8月3日

過去の記憶を取り出して、再固定化する

社会人になると、
成長が求められます。

成長するときは
なだらかな坂を上っていくのではなくて、
自分の背丈ぐらいある階段を這い上がりながら登っていくイメージです。

自分の背丈ぐらいある階段なので、
まぁ壁ですね。
壁にさえぎられて前に全く進まない状態から
壁をよじ登ることができれば、後は次の壁までは平たい道なので
一気に進んでいきます。
そしてまた壁があって、それを乗り越えて
また平坦な道があってみたいな繰り返しです。

その壁に直面したときに、人は、悩んで苦しんでストレスがいっぱいな状態になっていきます。
それが記憶の中に
残るわけですね。
いわゆるトラウマっていうやつです。

その記憶があるままで
歩みを進めると
過去のトラウマに引っ張られて
自分はやっぱりできないんだとか、
変に防御態勢に入りやすくなってしまったりします。

そういったトラウマに対してカウンセラーが行う手法として
記憶の再固定化があります。

ヒアリングを行って、そのトラウマができたときのことを詳細に思い出して
それについて
共感した上で
今となっては恐れる必要はないし、
君は悪くない。
と相手を肯定することで
心にできてしまった傷を取り除きます。

いわゆる記憶の手術ですかね。

この記憶の再固定化を階段を上る度にしていかないと、
結局ストレスがずっと付きまとって、自分を信じられなくて、仕事ができないままになってしまったりします。

誰もがトラウマができた事を思い出したくないし、
他人にその辺をつかれたくはないと思います。
でもそれをしないと
ずっと同じところでつまずいてしまいます。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

トラウマというのは、
過去のストレスが長期記憶として記録されている状態を言います。
ここで脳の記憶の構造について考えてみましょう。
脳が記憶するときには、短期記憶と長期記憶の2つに分かれます。

一旦短期記憶を記憶する海馬というところに格納した記憶は
必要に応じて、長期記憶を保存する大脳新皮質に移されます。

その移されるタイミングで
そのままビデオテープをダビングするようにされるのではなくて、
映画のようなストーリーにさせて
映像や音や
においや味も一緒にストーリーとして記憶します。
なので、懐かしい味を食べるとお母さんを思い出して涙する、みたいな映画のシーンが成立するわけです。

なぜそんなことをするかと言うと、
人間の脳の容量は実はそこまで大きくなくて
映像や音や記憶を全て記録しようとすると、2日分ぐらいしか記憶できないと言われています。

その要領をうまく活かして
数十年分の記憶をするために、自分の中で作り上げたストーリーを
ストーリーという形に圧縮して記憶するようになっています。

なので簡単に言うと長期記憶は真実ではなくて、その人が作り上げた勝手な記憶になります。

なので正確とは限らない。

例えば小学校の時に友達に裏切られて人間不信になって不登校になってそのまま引きこもりになりました、みたいな人がいたとして

数十年経って同窓会に参加した時、
その友達は実は裏切ったのではなくて、その人のことを思って行動したみたいなことが分かると
その数十年間たまっていた記憶が上書きされて、新しいストーリーとして認識されて、
いろんなトラウマが消えていく。
こういったことが起こります。

これが記憶の再固定化です。
子供の頃に大きなストレスを感じて
適切なケアをされていないと、そういった記憶やトラウマが残されてしまいます。
純粋なときのストレスはやはり大きなダメージを伴います。

大人になってからもそれを抱えている人が非常に多いので、
そのあたりを取り出して
もう一度適切なものにして固定化していく。
自分自身が部下の育成の過程で必ず行っている行為になります。

ただ昔の記憶は
自分が傷つかないように
うまく作られたストーリーになるので、

なかなか手放しません。

海で溺れているときに、最初につかんだ発泡スチロールみたいなものにずーっとしがみついている状態です。

溺れているよりはマシなんで
自分の命綱と思っているわけですね。
しかも無意識に。

なので目の前に浮き輪が来ても、力の弱い発泡スチロールを手放さなくて、
目の前にボードが来ても、発泡スチロールにしがみついたままボートに乗らない。

なぜなら手放すのが怖いから。

とにかく子供の頃いや純粋な頃
そんな時についた傷。
それを少しでも減らしたくて身に付けた防衛本能。
そういったものを人はなかなか手放せない。

手放すためには
自分は敵ではなく味方で
手放したら絶対に楽になる。
というのを信じさせる必要があります。
昔はなかなかできなかったですが、
今は多くのメンバーが、自分を信じて、そういった記憶の再固定化に成功して、
トラウマがない状態で仕事に取り組めています。
今後もいろんな人が入社してくると思いますが、そういった記憶の再固定化をうまくしながら進めていきたいなと考えています。

シナジーデザインは中途採用の人が多いです。

つまり最初の、もしくは次の仕事で失敗しています。

辞めるつもりで入ったのなら良いですが、
辞めないつもりで入社して退職するのはやっぱり失敗です。

その失敗について大きく傷ついて
思い出すのも嫌だってなっているので、分析ができていない人も多いです。

最初の上司との関係や同僚との関係
仕事では失敗など

そういったものを取り出して
その人の心の傷になっているのであれば、しっかりケアして再固定化するみたいなことをやっていければなと思っています。

電子書籍にまとめてみました。

正社員が1年で働く時間は<br>たった22%ってご存じですか

「正社員が1年で働く時間は
たった22%ってご存じですか」

代表ブログでアクセスの多い記事をピックアップしております。

幸せに働くとは何か? その答えがここにある。
奥野 勝也 (著), シナジーデザイン株式会社 (著) 形式: Kindle版

Amazonで99で販売中

Kindle Unlimited会員なら0円

書籍の詳細はこちら
求人バナー

このページの上部へ戻る