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2021年8月8日

新人はプロの5倍のコストがかかる(遅延を強要する理由)

コストが高いのは?

新人とプロ、
どっちのほうがコストが高いと思いますか?

実は、プログラマーやマーケターの場合は新人のほうがコストがかかります。

「え?でも、給料が安いのは新人ですよね。」

そんな疑問も当然だと思います。

その辺りについてご説明したいと思います。

まず給料ですが
何もできない未経験の人が入社した時と
プロとの給料の差は2倍ほどです。

新人が20万円ならプロが40万円というイメージですね。

 

一方で、
未経験の人と
プロの仕事の成果の差は
10倍ほどの開きがあります。

新人は失敗を繰り返しながら、そして調べながら業務を行うので、大げさではなく10倍の差が出てくるわけです。
プロの人が10時間でできる仕事が100時間ほどかかってしまいます

実際に計算をすると

プロの人が時給3000円で20時間の仕事をした場合は6万円のコストで済みますが、

未経験の人が時給1,500円で同じ仕事をするのには200時間かかるので30万円かかることになります。

つまり、同じ仕事に5倍のコストがかかるんですね。

未経験の人に仕事をさせると
会社は5倍のコストを払うことになるんですね。

5倍です。
5倍!

会社から見ると新人はコストがメチャメチャ高くなるんですね。

未経験の人ばかりを雇うとコストが低く抑えられるイメージがあるかもしれませんが、同じクオリティを求めるならば、めちゃめちゃ高コスト体質になっちゃいます。

新人だからと言ってお客様が多くお金を払っていただけるわけではないので売上は増えない。なのにコストが5倍。簡単に言うと赤字になります

でも会社の未来のために育成をする必要があるので
会社は未経験の人に仕事をさせます。

赤字でも仕事をさせるんですね。

プロの基準に近づけさせる

でも

自然に上がるスキルアップのレベルは知れています。未経験の人が自分のペースでやっても飛躍的な成長なんてしません。

だから会社はプロの基準に近づけるために、
最初から遅延する、厳しい時間見積もりで仕事を渡すことになります。

そうしないと未経験の人は未経験の自分の基準で仕事をします。
そうなってくると赤字状態が長期にわたって続いてしまいます。

成長しなければ
ずっと大きな赤字状態が続くので、
会社はその人を解雇せざるをえません。

それを防ぐために、プロの仕事にできるだけ近づけさせようと
未経験者の現在の能力よりも上の基準
での時間で仕事を完了することを求めるわけです。

本人からしたら
現在の自分の実力よりも1.5倍から2倍位のスピードを求められる
自分が思う半分の時間で仕事を完了させることを強要される。

本人からすると
むちゃぶり、
遅れる時間を設定している、
ひどい会社だ、
となるわけです。

でも会社からすればもともとプロに任せる5倍のコストを払ってることになるので
会社は本人より大きな痛みを負っているわけです。

むしろ会社の痛みの方が大きい
でもその辺を理解していないと、
新人に無理なスピードを求める
ろくでもない会社となるわけですね。

ここが未経験採用、そして育成の難しいところです。

本人も大きなストレスを感じていますが
実は会社もそれ以上に
大きなコストを支払っているわけです。

これに対応するためには
業務を素人でも出来るようにレベルの低いものにパッケージ化するか

素人の人にプロとしての仕事ができるように成長を促す
のどちらかしかないわけです。

でもパッケージ化ができる業務は限られていますし
そこには当然ライバルの会社が存在しています。ライバルも血のにじむ努力をしてコストダウンを行っています。そして他の会社が入って来れないように参入障壁を築いています。なので業務のパッケージ化は非常に難易度が高い。

 

未経験者はこんなにも難しいチャレンジなんですね。

そのチャレンジに成功するためには
スキルとノウハウをプロのレベルにできるだけ早く近づける必要があります。
少なくとも
会社がコスト負担できる期間内にプロのレベルまで達しないと
その人を雇用し続けることができないわけですね。

ノウハウやスキルを身に付けるためには
やはり本人が自分で努力するしかない。

会社は最初からプロのスピードなんて求めていません
ちゃんとコストを負担する覚悟はあります。

でもそれにも限界があります。

なので
まずはプロの2倍から3倍位のコストで済むように
つまりプロの半分から3分の1くらいのスピードでは出来るようになってください。

それが会社の要求なわけです。同じスピードなんて求めていません。

本来は、プロのスキルを身に着けるのが専門学校だったり大学なわけですね。

そこで数年の時間と100万円以上のコストを払ってスキルを身に付けてくる人もいるんですね。

でも、大学や専門学校で専門的に学ばずに異業種転職組として入社してきた人は、やはり入社してからその分のコストを自分で支払う必要があります。

それが覚悟とかやる気と言う言葉で表現されるわけです。

でもその覚悟と言うのは相当なものが求められます。

生半可な覚悟ができない。

なので、応募してきた人の中でも採用できるのは30人から50人
下手すると300人に1人の割合になります。

今のメンバーや内定を出した人はその覚悟を持っていると判断した人です。
そしてポテンシャルもある
成長を期待できる人のみを採用しています。

とにかく
未経験採用は
本人にとっても
会社にとっても
痛みを伴う
難易度の非常に高いチャレンジです。

だから失敗も多くなる。

多くの場合この会社はダメだ
この会社は嫌いだ
と言う感情を持ったまま退職

と言う最悪の結論になってしまう。

入社してプロのレベルに達するまでは
自分の実力の倍くらいのスピードが求められるので
多くの場合、タスクに失敗します。

そして失敗したときには大きなストレスが発生します。

何度も同じ失敗を繰り返したりもします。

上司から怒られたりもします。

本人の目線から見たら
会社を嫌いになるのも仕方ないかもしれません。

だからクリエイターやマーケターで途中入社した人は
最初の会社を憎みながら
1年とか2年で離職してしまうことが多いわけですね。

プロとしてのスキルを身に付けた後であれば
未経験時のストレスがかからないので
次に転職したところでは同じようなストレスは感じません。
でも実は同じ会社に残っていても、入社時のストレスはかからなかったんですね。

でも、本人の失敗の記憶や
上司から怒られた時の上司の顔なんか浮かんで、
または上司が発した一言が残ってしまって
その会社に居れなくなるわけです。

それも仕方ないかもしれない。
そのストレスの許容量は決まっているので
それを超えてしまうのも当然分かります。

でもそれはその会社が悪いわけじゃない。
本人が悪いわけでもない。
でもそういうもんなんです。
会社は3倍のコスト負担をして、本人は倍のスピードが求められ負担を強いられます。

どちらが悪いわけでもない
両方ともしっかりとコストを払っているわけです。

だから
未経験の人が辞めても
会社は大きな精神的なダメージを負います。
当然ですよね。
赤字を覚悟して育成をしてるのに
最後に恨まれて嫌われて同じ業界の、つまりライバルの会社に移られるわけですから。

こんな悲しい事は無い
できるだけ情報共有してそれぞれの立場やリスクやコストを説明するようにしています。

今もシナジーデザインでは1年未満のメンバー遅延や納期設定に苦しんでいます。
そして遅延が発生すると会社としてはそれを指摘せざるを得ない。

なぜなら普通にしているとプロの5倍のコストがかかってしまう。
つまり会社として存続できず、結果的にその人たちの給料も払えなくなってしまうからですね。

この辺を理解することで
仕事のストレスも少しでも減ればいいなと思います。

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