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代表ブログ

2019年8月30日

働き方改革でクソブラックなWEB制作業界はどう変わるか?

毎日のように聞こえてくる
働き方改革
の言葉。

働き方改革を進めていくうちに分かってきたことがあります。

それはWEB制作業界が
くそブラック

だったってことです。

そして今もクソブラックは会社はたくさんあるってことです。

なぜクソが付くほどのブラックと言い切るかというと
儲からない責任を各クリエイターに押し付けていた業界だからです。

コストを無理やり負担させる、やり方はこうです。

社長「こんな仕事が50万で入ってきたよ。Aさんできる?」

Aさん「、、、、はい」

社長「じゃぁ、納期は来月末やけど大丈夫?」

Aさん「来月末ですか、、、 きついけど何とか頑張ります」

社長「悪いね。それじゃぁ、後のやり方は任せるんで頼んどくね」

Aさん「、、、はい」

これがコストを制作者に押し付けている現場です。

一見普通に見えますが、このやりとりの問題が何かわかりますか?

問題は
このやり取りをしている社長が
Aさんがサービス残業をする前提で仕事を振っている点です。

本来は150時間かかると分かっている仕事を
100時間分の給料しか支払わずに残りの50時間を制作者に負担させている
点です。

社長はAさんにコストを
負担させているのを後ろめたく感じています。
なので、上司として明確にするべきところを明確にしません。

上司としての仕事をしないことになります。

本来、この社長はこの案件にかかる正確な時間を見積もり、かかる日数を割り出して調整をするべきです。

上司として明確にするべきところも明確にできず
Aさんに裁量を与えているふりをしながら
サービス残業を強いることによって仕事のコスト負担を押し付けている状態です。

だって明確にしてしまうと
予算内で制作できないことが明確になってしまって赤字案件になってしまいますからね。

多少効率が悪くてもAさんにサービス残業込みで押し付けることで、やっと黒字化できるのを社長は分かっているんですね。

Aさんも
効率的でない問題点がいろいろとあっても、「時間がない」という決め台詞を駆使しながら、問題と向き合わずに時間をかける非効率な力業(ちからわざ)で何とか進めてしまう。

本来は問題に向き合って、次回以降の改善につなげるべきなんですが、
会社として問題に取り組めずに問題が延々と解決しない状況になってしまいます。

納品を目指して作るスタイルが出来ちゃう

これに慣れてしまうと

曖昧なままで仕事を進めて
納期ギリギリのラインを目指しながら
残業や徹夜を入れながら、納品を目指して作る

というスタイルが確立されちゃいます。

納品を目指して作るんで、納品後の効果やお客様の満足度には責任が持てない。

つまり
作ったら放置。
そんな作り方になっちゃいます。

それがモノづくり
っていう文化が自分の中にできてしまいます。

そんな曖昧なまま進めていくと
定期的に納期の遅れが生じますし
作った後の手戻りも多く発生します。

非常に効率の悪い作業方法になってしまいます。

残業や休日出勤が発生して、プライベートが全然ない、みたいな状態になります。
どんどん疲れ果てていきます。

転職しても曖昧なまま仕事を進めてしまう。

当然ですが、
その状況から抜け出すために転職をしようとします。

残業や休日出勤が多くて痛い目にあっているので
今度は残業が少ない会社を目指すのですが、ここで問題が出てきます。

それは新しい会社に入っても前の仕事をの仕方を続けてしまうことなんです。

前の会社のように曖昧なまま作業を開始して、納品を目指すだけの仕事の仕方を継続しちゃいます。

なぜか?

それは
1、明確にするメリットを知らない
2、明確にするスキルがない
3、明確にするエネルギーがない
という状況だからですね。

一つずつ見ていきます。

1、明確にするメリットを知らない

明確にするメリットはずばり成功の確率を上げられること、です。
仕事は明確にすることで失敗を回避して成功の確率を上げられます。
成功が多ければ多くのストレスを帳消しにできて、ストレスの少ない充実感のある仕事を続けることが出来ます。

2、明確にするスキルがない

失敗はあいまいさの中に潜みます。
多くの失敗は完全に明確にしてから作業を開始することで防げます。

でも完全は難しい。失敗してしまうこともあります。
その場合は
失敗を認め、失敗を分析して、再発防止策を考え、再発防止策が確実に実行できる仕組みづくり
を行います。
それが明確にするスキルです。
もれなく、ダブりなくという いわゆるMECEの考え方などフレームワークを使うことも必要になります。
シナジーデザインでは多くの場合マインドマップを使って問題点を明確にします。
必要な場合は指標を用意してシートに記録して一定期間の行動を可視化します。

そして次回は、作業を介する前に完全に明確にしてから作業を開始する、という覚悟で仕事を進めることが重要になってきます。

3、明確にするエネルギーがない

明確にするには
失敗を認めることが必要になります。

誰もが自分の正しいと思ったことしかしない

ですから、間違ったことも自分の中では正しい行動だったんですね。

それを否定するのは実はものすごい量のエネルギーが必要です。

明確にするために必要なのは、自分の行動を失敗だったと認めることから始まりますが、そのためのエネルギーが必要になります。
本人が明確にするためのエネルギーがない場合は上司が手伝うことも必要ですし、日を改めてゆっくり対応することも必要になります。

という感じで
転職しても同じ仕事の仕方を続けてしまう原因
明確にすることが難しいからです。

ただし、明確にしなければ曖昧なところが多く残り、

仕様変更
デザインのやり直し
再訪問
などの手戻りが発生します。

サービス残業がある会社なら本人が負担することも可能ですが、それにも限界があり、いずれその人はつぶれてしまいます。

残業なしの会社なら、かけられる時間が決まっていますから、手戻りを発生させることは致命傷になります。
なので明確に、明確に、とにかく明確にして時間内に仕事を完了させることにこだわらないといけません。

そして、問題が発生した場合も曖昧にして、安易なサービス残業に逃げずに 失敗を受け入れて、問題点を明確にして再発防止をする説明責任を果たす必要があります。

明確にするよりも、作業をしたほうが楽

でも多くの場合
明確にするよりも、作業をしたほうが楽に感じます。
なので
残業代はいらないんで残業させてください
みたいな話になります。

でもそれは許されない。
明確にする労力から、残業に逃げているだけです。

残業をしたとしても明確にする責任は変わりませんが、本人は明確にする代わりに残業をしているつもりなので、終わらせさえすれば突っ込まないでくださいって話になる。突っ込むと、「こっちは残業しているのに話が違うじゃないか」的な感じで怒りだします。

これだけ働き方改革が叫ばれている中
制作者のサービス残業への考え方も変えなくてはいけない時代になってきたといえます。

説明責任が最も大切

仕事をするには3つの責任が発生します。

遂行責任という終わらせる責任
説明責任んという問題点を明確にして再発防止をする責任
賠償責任という自分のお金や時間で埋め合わせる責任

遂行責任が果たせていればいいですが、それが出来ない場合は説明責任を果たすべきです。
説明責任を果たすのは大変。
問題に向き合う必要がありますし、改善策を出すのはかなりのエネルギーを要します

なので、みんな
プチ賠償責任
みたいな責任の取り方をします。

全責任を取って、給料の全部を差し出すわけでも、自腹で外注先を見つけてきて終わらせる、とかの賠償責任とかではなく
自分の行けるところまで残業しよう、とか、給料はもらうけど残業代はもらわないでおこう、みたいな一部を負担するプチ賠償責任を選んじゃいます。

それは意味がない。

本人もしんどいし、会社も賠償責任を負担しないといけない。お客さんも遅延による公開遅れの機会損失を負担しないといけない。

誰も得しない。

だから、説明責任と向き合わなくてはいけません。

失敗することは悪いことではありません。
遂行責任が果たせないことは普通に多くあります。

その場合は気持ちだけ残業をするのではなく、問題を完全に明確にして再発防止策を考えきる責任があります。

と、かなり長くなりましたので
次の記事に続きを書くことにしていったん終わりにします。

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