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2022年10月21日

「頭脳」労働と「作業」労働と「肉体」労働

例えば、
あなたが
重たい荷物を運ぶ
引越しの仕事をしているとします。

荷物が重すぎてこれ以上運べないって時に、
上司が代わりに重たい荷物を運んでくれた
心からお礼を言えると思います。

「ありがとうございます!」と。

 

自分の代わりに、
仕事をしてくれた
重たい荷物を運んでくれた、
助けてくれた、
と、心から感謝するはずです。

誰かが代わりに仕事をしてくれる、
それが体を動かす仕事の場合は直接的でわかりやすい。

でも頭脳労働の場合はどうでしょう?

デザイナーもプログラマーもマーケターも基本的には頭脳労働です。

考えること自体が仕事です。

そして考えることは体を動かすこと以上にエネルギーを使います
その証拠に
脳の重さは体重の2%ですが、その小さな器官が20%ものエネルギーを消費します。

だから、考えることは
世間で思われている以上にしんどい動作です。

しんどいから
高給取りの仕事は肉体労働ではなく、頭脳労働が圧倒的に多い

しんどいから、みんな避けます。
勉強嫌いな子供が多いのは、勉強が考える動作だからです。
考えるのはエネルギーを消費するし疲れるんですね。
簡単に言うとストレスです。

仕事の本質はストレスの代行なので
頭脳労働者は
考えるというストレスの掛かる動作を誰かの代わりにすることで
お金をもらっている、とも言えます。

だから頭脳労働者が
考えることを放棄することは、
仕事を放棄しているのと同じことになります。

何度も言いますが、考えること自体が仕事だからですね。

でも、このことが分かっていないと
簡単に上司に相談に行ってしまいます。

相談にもいろいろありますが、
特に新人で相談を勘違いしている人に多いのが、
代わりに考えてください、というタイプの相談です。

頭脳労働者が考えることを完全に誰かに委ねることは仕事放棄です。

重たい荷物を代わりに運んでもらった場合は心からお礼を言えるのに
考える作業を代わりに行った場合にはお礼が言えない、
お礼を言えても軽い感じになる
これは考える作業が軽視されている証拠ですね。

上司も部下に仕事を終わらせる責任がありますので、慣れていない上司は代わりに考えて答えを伝えてしまいます。

答を伝えられた部下は
「なるほど。分かりました」
と言って作業に戻ります。

しっかりとしたお礼も言わずに、業務に戻ります。

上司が考えるのが当たり前になっている状態ですね。

非常に良くないですが、
普通に運営していると
こんな状態が当たり前に起きてしまいます。

シナジーデザインでも少し目を離すと、そのような状況になります。

デザインの場合、
部下がデザインを考えられない時に
代わりに上司が目の前でデザインを考えたりします。

もう少し詳しく言うと
部下のデザインが基準に達していない場合に
足りていない部分を上司が考えて伝えてしまいます。

それを部下が
「なるほど。わかりました。」
とお礼も言わずに回答し、
言われた部分だけを「作業」として行います。

 

考える責任が完全に上司に移動している状態です。
部下が考える責任を放棄している状態ですね。

これが当たり前になります。
そうすると
上司は部下の仕事を代わりにしなくてはいけないので自分の本来の仕事が出来ません
1週間ごとに予定を立てて実施するスクラム開発を行っていますが、
上司の1週間のアウトプットがどんどん減っていきます

そして、部下は考えることを放棄します。
考えないと作業しかできないので、デザイン力は一向に向上しません。

考える力が上がらない

そしていざ、考える業務になるとストレスを強く感じて、古い脳に主導権が移り思考停止に陥ります。
思考停止になるので、報告の責任も放棄します。

指摘が入って、より強いストレスを感じて、さらに思考停止に拍車がかかる

そんな悪循環に簡単に陥ります。

難しいタスクに直面して思考停止に陥るのは、その時の対応に問題がある、
というよりは普段の仕事の仕方に問題があって
頭脳労働者としての
考える力が身に付いていない
ことに原因があります。

そりゃ、
普段は上司に考えてもらっている人が、
より難度の高いタスクを自分で考えれる訳が無いですもんね。

そんな状態の人が難易度が高いタスクを担当して、しかも上司が忙しいって時には、危機的な状況になります。
一気に退職にまで繋がってしまいます。

頭脳労働者になるには?

では、どうすれば良いんでしょうか?
まずは
自分を頭脳労働者
と認識することです。

繰り返しになりますが
脳は体重の2%なのに20%のエネルギーを消費する器官であり、
考えることは大きなエネルギーの掛かる負荷の高い作業と理解することです。

考えることはしんどい、
でもしんどいからこそ仕事として成り立つ
そして考えれるようになるには訓練が必要
今、まさにその訓練の真っただ中

その訓練を経て
考えれるようになると、より高い付加価値の仕事が回ってくるようになり、
複雑で不確定で不明確な仕事を処理でき、
最終的には給料が上がる

そのために、
訓練の負荷を受け入れる
そこから逃げない、と考えることです。

重たい荷物を運ぶのに慣れた
引越し業者の人が
良い筋肉を持っているように

考えることに慣れた
頭脳労働者も
ムキムキの脳を持っています。
見えないけど。

筋肉が日々の負荷のかかる動作で身に付くように
頭の筋肉である脳も、日々の負荷で維持され、ムキムキになっていきます。

新人の頃は
考える脳になっていない

頭脳労働の訓練を繰り返すことによって、脳がプロとしての脳になっていきます。
見えないけど。

頭脳労働者の割合

仮に

肉体労働

作業労働

頭脳労働

と3つに分けたとして、
全ての仕事はこの3つのどれもを含んでいます

肉体労働だけで完結する仕事も無ければ、
頭脳労働だけで完結する仕事も無い。

要はその割合によって、その職種が肉体労働なのか、頭脳労働と呼ばれるのかが分かれます

先ほどから例に出した引越し業者さんは肉体労働の割合が多いですが、頭脳労働の作業も当然含まれています。

経営者や建築士やプランナー、デザイナー、プログラマ―は頭脳労働が多いですが、肉体を動かす仕事もあります。

肉体労働、作業労働、頭脳労働、その割合の多寡で呼び名が決まります。

この中で注意すべきなのは作業労働です。

作業労働、と頭脳労働の区別が付いていない人が多いことです。

作業労働とは自分の中の定義では、
頭脳労働のように新しいことを考える動作にエネルギーを使わずに、
決まったことを出来るだけ早く、正確に行う仕事のことです。

その仕事ももちろん大切なのですが、
自分が言いたいのは、それは頭脳労働とは違うということです。

決まったことを速く、正確に行っても新しいものは生まれない
そこにイノベーションも生まれなければ価値が上乗せされることもない。
そうなると他社との競争に敗れ、売上や利益や給料は下がっていきます。

また作業労働は考えるエネルギーを多く使わないため、比較的ストレスが少なく行えます。
日本の仕事の多くはこの作業労働に分類されると思います。

近年の日本に
イノベーションが生まれにくい、
生産性が低い、と言われれる風潮があるのは作業労働の割合の多さが原因になっていると思います。

デザインの話に戻すと、
デザイナーの中には
頭脳労働をほぼ行わずに作業労働だけを行っている人もいます

決まったテンプレートやレイアウトを元にしたデザインを作る人ですね。
そう言った人は特に、
頭脳労働と作業労働では考える量が全く違うということを認識する必要があります。

作業労働の割合が多い人が、
新しいものを生み出す頭脳労働のデザイン仕事をしたときに
必要なレベルまで考えることが出来ずに破綻してしまいます。

今のシナジーデザインのように
チーム作りの真っ最中で、将来の幹部を育成している時期では
出来るだけ多くの頭脳労働が出来るメンバーが必要になります。

頭脳労働が出来るメンバーの数がチームや会社の力になる、とも言えます。

今のシナジーデザインは会社の基礎になる組織を作り上げています。
それが「30人の会社を作る」という言葉に集約されています。

会社の基礎部分に頭脳労働が出来る人をしっかり配置できれば
そこから先は、作業労働に強いタイプの人を採用していけます。

先ほども書いた通り、世の中には作業労働を得意とする人のほうが圧倒的に多い。
だから30人の基礎を作り上げればそこから先の拡大は、少なくとも採用の面では容易になります。

自分が30人まで、と30人のその先、みたいな話し方をするのはそのためです。
採用するタイプも大きく変わってくるはずです。

だから採用の際には頭脳労働の素養があるかどうかが一つの基準になっています。
比較的高学歴の人の採用が多くなっているのはそのためです。

頭脳労働はしんどいけど、会社やひいては自分の付加価値を高める価値のある仕事です。

筋肉と同じように脳も日々の鍛錬で強くなっていきます。

そして頭脳労働ができるように育成してくれる会社はそんなに多くはありません
中小企業ではなおさらです。

何らかの理由で就職に失敗したり、退職してしまった人は
なかなか大企業に途中入社できません。

そうすると中小企業で
ずっと作業労働を強いられ、給料が上がらない、生涯給料が低い、そんな状況に陥ることが多くあります。

今のシナジーデザインは確かにハードです。
それは頭脳労働が出来る人を求め、育成しているからです。

でも、頭脳労働が出来るようになれば
会社は強くなり、本人の付加価値は一気に上がります
それだけ日本に頭脳労働が出来る人が少なく、そして多くの会社が頭脳労働を出来る人を望んでいるからです。

インターネットが浸透し、
簡単に国際競争にどんどんさらされていく中で、
頭脳労働者へのニーズはどんどん強くなっていきます。

インフレや不景気などの不安が世の中で高まっていますが
その逆風に立ち向かうために最も重要なのは自分の能力です。

頭脳労働の能力を高めれば
他者と差別化することが出来ます

頭脳労働が出来るようになるには
その負荷と価値を認めることです。

そうすると、代わりに仕事をしてもらった上司に、もっと自然にしっかりと、心から感謝して「ありがとうございます」と言えるようになると思います

しっかりとお礼を言えるようになる。
それが頭脳労働のスタート地点の一つになると思います。

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