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代表ブログ

2023年4月6日

共感できない上司は敵になる

皆さんは共感が得意ですか?

もし共感が得意ではなく、
相手の気持ちの理解が難しい状態であれば、
自分の考えを押しつけるだけになります。

相手がコンピューターであれば、正しい手順を出せば動いてくれますが、
人間は正しいことを言うだけでは動かない生き物です。

なぜなら相手には相手の文脈があって
その文脈は
相手にとって常に正しい
状態を維持しているからです。

重要なのでもう一度書きます。
相手の文脈は相手にとって常に正しい。

その証拠に、
ほとんどの人が
これは悪い、と思って行動したことはないはずです。
その時は正しいと思って行動したことが
別の文脈で考えると正しくなかった、と後から分かることはありますが、
行動している時点では相手の文脈は常に正しい、
それが普通です。

その
相手の正しい、を理解していないまま
自分の正しい、世の中の正しい、社会の正しい
を説明もなく伝えても、相手は自分の正しいに余計に執着する状態になります。

新入社員の場合、
今まで自分が拠り所にしてきた
自分の正しい、を投げ捨てなさいと、会ったばかりの上司に命令されれば反発するのが当然です。

4月上旬の新入社員であれば
上司と会ったのは1週間以内。いっぽうで自分の理を作るのに、10年かかったとすれば、
自分の正しいを優先したくなるのが人情です。
その自分の正しい、を上司が聞きもしないまま無視して投げ捨てるように命令をすれば当然、その上司に反発します。

それはどんな口調で言っても同じです。
優しく言おうと厳しく言おうと同じです。

相手の大切なものを捨てさせると恨まれるのが自然です。

会社の正しいを伝えるにはどうすればいいのか?

上司はまずその人の正しい、を聞かなければいけません。
その人の文脈、とも言えます。
そして文脈を聞いた上でしっかり説明したり、納得させられるだけの準備をしておく必要があります。

もし、上司が相手の文脈を聞いて、
その場で会社の文脈との差について正しく説明ができないのであれば、
一度持ち帰れば良い、と思います。

持ち帰って、自分でゆっくり考えるなり、さらに上の上司と相談をしたりして、
正しい答えを出してから戻せばいい。

とにかく重要なのはその場で切り返すことではなく、
相手の文脈を聞いてあげること。
そして、その文脈をしっかりと相手の目線で体感すること。
つまり、共感すること。
それが大切です。

そんなの他人だから無理
とか
聞いちゃうとどんどん新人のペースになってしまうんじゃないですか?
という意見もあるかと思いますが、
そういうことじゃありません。

自分たちの信じていることや、ルールが正しいのであれば、
多少新人の話を聞いたところで、影響がでるものでは無いはずです。

やるべき事は、
自分たちのルールや信じていることを明確にした上で、
新人や部下の話をしっかりと聞いて、
それを部下の目線で見て感じて
共感してあげることです。

共感しない上司は
一方的に会社の命令を押し付けるだけの存在になるので嫌われるのは当然ですね。

共感する、と取り入れるは違う

でも、共感したからと言って、新人の意見をそのまま取り入れれば会社は機能しなくなるんじゃ、、、

と心配すると思いますが
その通りです。

共感することと
責任を持たせることは全く別のことです。

こういう風にしたい、
ああいう風にしたい、

という新人のリクエストを全部、聞いて、それを会社に取り入れていては会社は成り立ちません。

会社の制度やルールを決める、という行為は
業界や社会の情勢や会社の状態を鑑(かんが)みて、未来を見通したうえで決定していくものです。

まずは会社に入って生き残ることが目的の新人に任せれば、超近視眼的に、今のことだけに集中してしまい、また全体的なバランスもとれなくなるので会社としては崩壊します。

だから全部を取り入れるわけにはいきません。

会社の制度を曲げるのでもなく、新人にゆだねるのでもなく、
ただ、ただ、共感すること、それが重要です。

例えば、宇宙飛行士の映画を見て感動して共感しても、普通は宇宙飛行士を目指しません。
刑事ものの映画が面白くても映画を見終われば普通の日常に戻ります。

共感しても、そのあとに何かを変えないといけないわけではないのです。

大切なのは部下の、作った文脈をちゃんとその人の目線でなぞってあげることです。
ちゃんと理屈があるのです。
なので、その理屈が出来上がった経緯を想像して、仮説を立てて言語化をするんですね。

多くの場合、部下も明確に経緯などを言語化できていないので、
うまく言葉にできれば、
言語化してもらってスッキリしました、と上司を信用するようになります。

この人は分かってくれている、となります。

ただ、そのままだと部下の文脈の通りに動かないといけなくなるので、その状態まで来たらシミュレーションに移行します。

その部下の正しい、のままで仕事や業務を行ったらどうなるか?
それを一緒に想像します。

普通に想像すれば
新人の正しい、のまま業務にあたればいろいろな問題が出てきます。
それらを伝えてあげます。
そうすると、
確かに、このままの考えだと、結構苦労しそう、、、
正しいと思ってたけど、やっぱり、よくなかったんだ、、、

みたいに自分で問題に気付きます。

そのタイミングで部下はどうしていいか分からなくなります。
正しいことが分からなくなります。

その状態になって初めて

会社の正しい、
を伝えます。

そしてその正しさを説明して証明します。

しっかりと正しさが伝われば、
部下はかつての通用しない考え、かつての部下の正しさ、を手放して、新しい会社の正しい、を受け入れるようになります。

考えが変われば、行動が自然に変わります。
行動が変われば結果が変わります。

新人、とはいえ
多くは20年も生きてきた大人です。
普通はたくさんの正しい、を持っています。
どのくらいか、、、
多分100個くらいは持っているんですかね、、

社会人になるタイミングで
それらがいちいち引っかかるわけです。

そしてそのたびにストレスを感じて凹むわけです。
今年も大卒だけで40万人もの人が新卒で社会人になっています。
専門学校や高校を入れれば60万人ほどでしょうか。

その60万人の多くが、シナジーデザインの新卒の君と同じようにギリギリで頑張っているはずです。
みんながそれぞれの、新人育成プロジェクトの主要メンバーの一人として戦っているはずです。

出来るだけ多くの人がそのプロジェクトを成功させてくれればいいと思っています。
そしてウチの新人君も何とか強くなって生き残ってくれれば嬉しく思います。

そのために必要なことはしっかりとなんでもやっていくつもりです。

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